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「つい面倒で、カップ麺ばかりです。」
と僕は、馬鹿正直に答えていた。
少年時代にキリスト教的な躾を受けてきた僕は、昔から嘘が言えない損な性格になっていたんだ。
「ちょうどバイトのお金が入ったところだから焼肉たべよう、元気出るから。」
この辺の断定的な言葉遣いが苦手な君は、大学での体育会系のサークルには近づかない方がいいかもしれない。
実は、僕も本当は苦手なんだ。
「あっはい。」
焼肉もいいけど、もう少し消化に良いものがなんて言ってはいけない、とりあえずは。
僕らは下北沢で降り、駅前を歩き始めた。
そして僕は、肩で風きるモモの後をヒョコヒョコとついて行った、まるで母鳥の後に続く雛のように。
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