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「私を、あのおばさんの所に行かせないって約束できる。」
「ああ約束するよ、君が布団が臭いとか文句言わなければね。」
と、僕は最大限に自分の気持ちを抑えて対応した。
「本当だよね。」
「もちろん。」
麗佳は、ようやく僕を信用したみたいで自分の居場所を教えてくれた。
麗佳は彼女の家の近所の公園にいた。
僕は考える事を一旦停止し、もと来た道を戻った。
そして心の中に去来する様々な思いを一つ一つ飲み下しながら、
車窓に写った自分を眺めていた。
まるで奈落の底にいるような
どこまでも無感情で空っぽの心。
疲れた自分の青白い顔をみていた。
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