0人が本棚に入れています
本棚に追加
ふと見上げると青い光の中で麗佳が佇んでいた。
彼女は僕の傍らに歩みより、
僕をその胸に抱いた。
「カツミ、
どうして泣いてるの。
ごめんなさい、
麗佳が悪かったよ。」
僕は彼女の腕の中で力が抜けて行くのを感じながら、ただ躰を預けていた。
掠れゆく意識の片隅にモモの後ろ姿が浮かんでいた。
その後ろ姿が哀しくて、僕はモモに呼びかけていた。
『行かないでモモ、どこにいくのさ。』モモは振り返りもせず暗闇の中に消えていった。
残された僕の僅かな意識も、暗闇に吸い込まれていった。
最初のコメントを投稿しよう!