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初日の軽めのメニューでさえ息を荒げる始末だったけれど、何とか練習を終えた僕は今夜の計画に胸を膨らませていた。何しろいろいろと妄想がらみで多分200は楽に超えるシミュレーションを重ねてきたからね。
あらゆる想定の下、準備はしてきたつもりだ。
その晩、勇気を奮い立たせて僕はモモを誘って散歩に出た。麗佳の一件があってから、何となく気まずい空気が漂っていたけれど、僕らは敢えてその話題には触れずに今日まで来てしまった。
だから今夜は、先ずはモモに謝るつもりなんだ。
そして多分モモもそれを何となく予感してるみたいな感じだった。
セミナーハウスから離れた林道まで来ると、僕らは倒木に腰をかけた。
空には夏の星座が、沢山の星に埋もれるように輝いていた。
僅かに、遠くで鳴く虫の声以外聞こえるものはなかった。
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