0人が本棚に入れています
本棚に追加
翌朝、モモからは何もなかったような素振りをされて少し寂しかったけれど、それは仕方がないことだった、みんなの手前。
そしてモモはレギュラーのメニューの練習に行き、僕は相変わらず基礎トレに励んだ。
この部は、一年の部員が僕を入れて六人。部員全員でも三十人に満たない弱小部だった。
それでも一部には少数精鋭と豪語する先輩もいたけれど、どちらかと言うと同好会的なささやかな部活だった。
そしてあの夜を最後に、モモとのデートは出来ないまま夏合宿は終わった。
大体あんな練習の後にデートなんて余裕はなかった。そしてどうしてこんな事してるんだって思う時も正直あったけれど、燃え尽きた後はとても爽やかな気分になった。
モモだって同じ気持ちだったと思う。一日数十キロメートルを走った後は、
ただ疲れて眠いだけだった。
これが『発散』っていうんだなって改めて思った。
やれやれ
最初のコメントを投稿しよう!