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モモに逢いたい。
九月も二十日を過ぎると少しずつ秋色の空が広がるようになってきた。
僕らは大会に向けて本格的な調整に入った。
それまでと違ってピリピリした空気がグランドに漂っていた。
そんなある日、突然顧問に呼ばれた。
用件は、モモが大学を中退したという連絡だった。突然過ぎて実感が持てないままグランドに戻り、フィールドの真ん中に佇んで空を見上げた。
一段と高い秋の空の中でモモが笑っていた。
何時もと変わらないモモの笑顔が涙の向こうに霞んで見えた。
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