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会えないと言われてもこのままでは帰れない。
僕は大阪にある大学病院に向かった。
どんな事をしたってモモの顔を見るつもり。
できれば話したい。
抱き締めたい。
モモだって僕に会いたがっているはず。
誰も僕を止められない。
激しい胸騒ぎと求める気持ちが、僕の頭の中で渦を巻き始めて吐きそうになる。
でもモモの笑顔を思い出して何とか必死に耐える。
『今逢いに行くからモモ、必ず君のところへ。』
するとモモの声が聞こえてきた。
『うん、待ってるよ、カツミ。』
倒れないように両手でつり革にしがみついて瞼を硬く閉じた、涙がこぼれないように。
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