家出 #2

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「だって行くとこないもん。」 「うん、それで実は頼んでみたんだ。大学の先輩、もちろん女の子だよ。」  麗佳の目がキラッと光った(ような気がした)。 「その人知ってる。あのおばさんでしょ。」  しまった、麗佳の性格までは説明していない。 「うん、百香って言うんだ。とってもいい人だよ、親切だし。」 「私はここでいいんだけど、お布団くさいけどね。」 「あのね、お母さん帰ってきたら驚いて目を回すよ。きっと凄く怒られるよ、 お父さんにも。」  この言葉は効いたらしい。  何だかんだといっても、子どもは親が一番怖いものですよね。 「わかった。いつ行くの。」 「今夜、夕食を一緒に食べる事になってるから。」 「焼肉なんだけど。」
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