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僕にはわかっていた、モモが僕に会いたい気持ちを抑えているのが。
僕には感じるんだ、「さよなら」の意味を。
「モモ、君を一人になんかしない。君が辛いのなら、僕も一緒に苦しむよ。
少なくとも寂しくはなくなるはずだ。」
僕は田中さんに頼み始めた、
床に手を着いて。
田中さんは困りながらも、どこかで温かい気持ち感じさせる表情で僕を見下ろしていた。
僕はひざまついたまま田中さんを見上げた。
すると暫くして田中さんは重い口を開いた。
「秘密は守れるかな。」
僕はうなずく。
「案内しよう。」
そう言うと、田中さんは僕を先導する形で歩き始めた。
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