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僕は病院の集中治療室に案内された。
ガラス越しにみる室内には様々な機器が並べられ、それらに囲まれる様にベッドが置かれていた。
「見えるかな、百香さんだ。」
いくつもの機器から伸びたケーブルに繋がれて患者が横たわっているのが辛うじてみえたが、それがモモだという識別はできなかった。
ただ彼女を包むシーツの曲線がどこか懐かしく見えた。
「モモには意識はあるんですよね。」
「もちろん、話も出来る。だが病状は重いそうだ。」
「話せますか。」
「秘密は守れるね。」
田中さんは、厳しい表情で確認するように尋ねた。
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