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彼女のベッドに頭を沈めて祈り続けていた。
時刻は午前二時三十七分。
さっきまで溢れていた涙は涸れて心は空っぽになった。
僕は大きく息を吸い込み、そっと右手をモモのベッドの中に潜りこませた。
モモは胸の辺りで手を組んでいる。
その上に、重さをかけないようにそっと手を重ねてみる。
モモは静かな寝息をたてて眠り続けている。
その彼女に囁くように話しかける。
「モモ、ひどいじゃないか。いきなりさよならなんて。」
モモは相変わらず安らかな寝顔をしている。
「君が僕を心配してくれてる様に、その何倍も僕は心配してる。」
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