~*第三章*~*第四章*~

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~*第三章*~*第四章*~

〓第三章〓 月日が経つのは早いもので 赤ん坊だった孫娘も 両親を悩ませる  元気すぎる娘に成長しました しかし祖母であるあの方は いつも柔らかい笑顔で 彼女を優しく見つめています 毎日のように 祖母の話を聞きたがり 縫い物をする膝の前に座っては 膝をくっつけ目を丸くして 早く早くとせがんでおりました そんな時は嬉しそうに返事をし プツンと糸を切ってから 針を片付け横へ押し どうぞとばかりに膝を開けます 今ではすっかり重くなった孫娘を座らせ むかし むかし……と 遠い昔の話をしていました 目を輝かせる孫娘を 愛おしそうに見つめておられました 今はもう会えない誰かを 重ねておられたのかもしれません * * * * * 〓第四章〓 祖母であるあの方は 忙しい母に代わり 孫娘に様々なことを教えてらっしゃいました 縫い物もその一つで 二人で縁側に座り チクリチクリと針を動かしては 花嫁姿が見たいわねえ……と 笑っておられました きまって孫娘は お嫁になんかいかない……とふくれ またその様を見て 笑っておられました そんなある日の朝 あの方は眠るように旅立たれていました 涙を流す孫娘は 私を胸に抱き締め 花嫁姿が見たいと言ったのに……と 声を上げて泣いておられました 声をあげることも 涙を流すこともできない私は 黙って孫娘の胸の中で目を閉じました * * * * *
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