~*第五章*~*第六章*~

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~*第五章*~*第六章*~

〓第五章〓 月日は瞬く間に流れましたが あの方の孫娘は 変わらずのお転婆娘 両親や兄たちが頭を悩ませていても 本人にはどこ吹く風 ただ あの方譲りの裁縫の腕は素晴らしく それだけは凄いと 皆が口を揃えほめていました 当然だわ お婆ちゃんが先生だから…… そう言って遠くを見るこの方にとっても あの方はかけがえのない人だったようです 年頃になった孫娘は 親が決めてきた縁談で 農家へ嫁ぐことになりました 婚礼の前日 彼女は私を手に取り 寂しいから 一緒に来てね……と 私を抱き締め包んでくれました 私はこうして この方と これからの道を歩くことになったのです * * * * * 〓第六章〓 あっという間に時は経ち 時代も大きく変わりました 当初は慣れない仕事に 悪戦苦闘の日々だった孫娘も 持ち前の明るさと逞しさで すっかり嫁した家の良き嫁に 周囲が彼女を認める頃には 良き母にもなっていました 立派に育った子ども達に囲まれ 忙しくも穏やかな日々を 過ごしておりました この方は祖母同様に 私を大切にしてくださいました 私は本当に幸せでした…… だから幸せが壊れるなど 夢にも思わなかったのです けれど時代の波は止められず  それはある日やって来た 血染めの葉書が  長男に届けられたのです * * * * *
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