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「あなたのしたいことを私は知ってる」
彼女は僕の両頬をつめたい両手で包み込んだ。
「アレを消したいんでしょ?」
彼女の瞳に吸い込まれそうになった。
「9回目まで私は説得したよ。そんなことはだめだって。でも10回目から協力することにしたの」
「な…何を…?」
「ふふ。とぼけちゃって。わかってるくせに。君は2回目に出会った時、私に教えてくれたよ」
「2回目…?」
「逃げ道は用意してある」
「…どうせ逃げ切れな」
「できる。一緒にやろう。私に任せて」
彼女は強引だった。
僕の話なんて聞こうともしない。
いや、聞かなくてもわかる。
そんな感じで。
それが嬉しいような、ムカつくような気がした。
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