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「こんなときに何言ってるのかしらね、今の忘れてね」
それからしばらく、無言のドライブが続いた。
無言が気まずかったとかじゃない。
ただ、返事はちゃんとするものだと思う。
コンビニへトイレに寄って帰ってきた彼女に、僕は切り出した。
「その…僕も、あの時あなたに声をかけたのは…タイプだったからっていうのも…あります」
「え?」
遅すぎる返事に、彼女は目を丸くしていた。
ゆっくりと意味を理解した彼女は、口元を緩めた。
「それは…予定に含まれてなかったかな」
僕たちは照れ臭くて目を合わせられなかった。
そんな甘い現実も目が覚める。すぐに僕たちが犯した罪はニュースになり、あの場面がフラッシュバックするのだった。
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