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フォーラムが終わってから警備本部で撤収作業をしている時、悠馬と大河が挨拶に来て、2人揃って頭を下げた
悠馬「庇ってくれてありがとうございました」
郁ちゃんは少し居心地が悪そうに、手塚くんは少し照れている
2人が帰った後、小牧教官が声をかけてきた
小牧「ファインプレーだったね」
こころ「最初は郁ちゃんですけどね」
小牧「それでも見事なフォローだったよ」
小牧はこころの頭をゆるゆると撫でた。こころが照れくさそうに微笑んだ。単純に嬉しい
小牧「...それ反則」
こころ「え、何がですか?」
小牧「はい、こころも仕事して~」
下の名前で呼ばれて小牧に文句を言おうとした時、既に小牧教官は前を歩いている。私はせっせと小走りをして、小牧教官に並ぶ
フォーラム後のアンケートは規制に対する慎重論が過半数を占めて、図書館は『考える会』の要請した規制を破棄した
そしてフォーラムの翌週、『週刊新世相』が発売された。発売日には図書館に入荷するが、その前日に折口からタスクに見本誌が届いていた
玄田「なかなかいい記事になってるぞ」
玄田がそう言うと、雑誌の回りに群がった。その中には業務部である麻子ちゃんの姿もある
こころ「あ、これ麻子ちゃんだ!」
柴崎「右向きの写真がいいって言ったのにな」
最初のページに司会をしている麻子ちゃんの写真が使われている
麻子ちゃんにとっては記事に載ること前提なのだが、少し不満そうだ
笠原「こころ載ってる!」
そう笠原が指した写真には、斜め前から撮った立ち姿だった。キャプションには『中学生の発表を見守る隊員。その目には何が映ったのか』
柴崎「結構大きく載ってるし、美人だし映えてるわ~!」
こころ「結構恥ずかしいんだけど」
他の隊員も麻子ちゃんの意見に同意し、私は恥ずかしかったので雑誌の集団から離れた
柴崎「小牧教官!良くないですか、この写真」
こころ「え、何聞いて...」
麻子ちゃんはニヤニヤしながら小牧教官に聞く
私は今すぐにでも止めようとしたが、小牧教官の答えは私が想像してなかったものだった
小牧「いいよね、よく綺麗に撮れてる」
小牧教官が私ににっこりと微笑むと、こころは顔に熱が集中するのがわかった。バレる、と思った瞬間ー
笠原「何であたしも載ってるの!!」
堂上「どういうことですか隊長!」
私郁ちゃんの叫びに助けられ、堂上教官は玄田隊長に怒鳴り、その部屋は笑いに包まれた
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