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こころ「そんな怖い顔しないで下さいよ~私ずっと姉と兄と暮らしてましたし」
私は苦笑しながら言う
その時タイミング良く、業務部の同期に呼ばれたので私はそそくさとトレイを持った
こころ「じゃあ自分はこれで」
柴崎「うん、また後で宜しく」
こういう時に気が利く麻子ちゃんはとっさに返事ができる
こころが行ってから、何とも言えない空気が漂った
笠原「今の話...柴崎知ってた?」
柴崎「さすがにそこまでは知らないわよ。こころの過去なんて聞いたことないわ」
堂上も小牧も黙っていたが、手塚が恐る恐る声を出した
手塚「あの...もしかしたらなんですけど」
小牧「ん、どうしたの?」
いち早く知りたいのか小牧が答えた
手塚「えっと俺の父親...」
柴崎「図書館協会の会長でしょ」
手塚「は?何でそれを...」
堂上「いいから続けろ」
何故柴崎が知っているのか気になったが、それ以上は追求しなかった
手塚「関東図書基地に、日野の悪夢で亡くなった日野図書館の男性の図書館員の娘が防衛部として働いているって聞いたんです」
その場全員がまさか、と思った
手塚「気になって調べたんです。そしたら、当時亡くなった図書館員の中に相原と同じ名字の人がいて...」
こころと同じ名字隊員なら他にもいる。しかし防衛部で尚且つ"娘"というのは限られてくる
笠原「まさか相原の家族って...」
堂上「日野の悪夢で亡くなったんだろうな、だうやら姉と兄は生きているようだが」
堂上のその言葉で、それがはっきりとなった
堂上「面接の時とか、書類とかにもそんなことなかったよな」
小牧「稲嶺司令と隊長は知ってるだろうね」
今まで知らなかったこころの過去に、笠原を初め皆が言葉を無くした
笠原「相原そんなこと一言も...てか、何で手塚教えてくれなかったのよ」
手塚「そんな偶然みたいな話信じられる訳ないだろう!でも、今の相原の話聞いたら...」
手塚もまさかこの話が本当だったとは思わなかった
笠原「信用されてないのかな」
柴崎「そんな訳ないでしょ。皆に迷惑かけたくないからとか、それに相原の性格なら言わないわよ」
柴崎の言っていることは最もだった
柴橋「相原が話してくれるまで待とう。いつか絶対話してくれる」
笠原を宥めるように言った柴橋の言葉は、堂上にも小牧にも手塚にも伝わった
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