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気付いたら泣いてた
小牧教官は驚いていた
こころ「怜奈ねぇは大好きだけど…良化委員会は嫌い……矛盾してますよねッ……臣にぃも、良化委員会のせいで…ッ」
小牧「……ッ」
こころ「...身内に良化隊がいるなんて、やっぱ疑わしいですよね。稲嶺司令も隊長も黙っててくれてるけど...バレたらあれですから、教官もあんまり私に」
ギュッ
小牧「最初に言ったよね、軽蔑なんてしないって。例えお姉さんが良化隊員であっても」
小牧教官は抱きしめる力を強くしたけど
優しかった
小牧「そんなことでこころを責める奴はその程度の人間だってことだよ。堂上だって笠原さんだって手塚だって柴崎さんだって、もちろん俺だってこころのこと絶対軽蔑しない」
私は小牧教官の言葉に視界が潤んだ。小牧教官は腕の力を緩めて、私と目線を合わせた
小牧「ありがとう、話してくれて。こころも辛かったよね?1人でよく頑張った」
こころ「小牧教官ッ……怖かった…みんなのこと裏切ってるみたいで……臣にぃももっと本が守りたかったはずなのに、私だけ図書隊に居てッ……」
小牧「臣はね、こころが図書隊に入って嬉しかったと思うよ?…今も連絡とってるけどこころどう?ばっかだもん」
こころ「ッ……ごめんっ、臣にぃ…ッごめんねっごめんっ」
小牧「でもこれでもう怖くないでしょ?もう1人じゃない、皆ついてる」
こころ「ッはい!ニコッ」
私は安心した
小牧「あとね、お父さんの事知ってた」
小牧「こころが帰った後、手塚が話してくれた。お父さんから聞いてたらしくて。名前までは知らなかったんだけど、亡くなった図書館員の娘がここにいるのとその娘の兄が元隊員っていうのは聞いてたらしくて…それが臣だとは思わなかったよ」
皆知っていたのか。でも一層そっちの方が楽な気がしてきた
こころ「大丈夫ですよっ、みんなに知っててもらった方が楽だと思うし」
小牧「良かった」
私が笑うと、小牧教官も安心したみたい
しばらく小牧教官は私の手を握ったまま
小牧「もう寝れそう?」
こころ「はいっ!ありがとうございました!」
小牧「そっか、じゃあおやすみ」
こころ「はいっ!おやすみなさい」
小牧教官は私の頭をポンポン叩いて部屋に戻って行く
さっきとは反対に心が晴れやかだった
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