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手塚「堂上教官、笠原が戦力外って本気ですか?瞬発力や反射神経なら俺より笠原の方が上です!」
会議室を出た堂上を途中で引き留めたのは手塚だった
堂上「あれだけ突っ掛かっていた奴の言葉とは思えんな」
手塚「正論を武器にするのは正しくないと仰いました。認めるべくを認めたつもりですが」
明らかに不当な堂上教官の発言に、手塚くんははっきりと責めた。堂上教官が不当であることは自覚していたが、咄嗟に詫びる言葉は出なかった
こころ「親は戦闘職種だって知らないから、もし怪我でもしたら死なれたら、困るから心配だから。でもそれって堂上教官のわがままですよね?」
戦闘は指揮官の命令を理解できる能力があれば良いので、笠原が戦力外というのはあり得ない。正しい部下を目の前に堂上は何も言えなかった。
後ろから小走りで追い付いた小牧が言った
小牧「笠原さんから伝言。今に見てろチビ、大っ嫌い!」
手塚「見境ねぇな」
それを聞いた手塚くんが引き、小牧教官は更に付け足した
小牧「今回は言われても仕方ないんじゃない」
聞き流してしまいそうな皮肉で堂上教官の表情が更に頑なになった。それに気付いた私と手塚くんはその場から離れた
その日の日誌を書いている時だった
私のスマホが鳴り、画面を見ると非通知だった。その場にいたのは雰囲気が微妙な堂上班のみで、堂上から出ても良いと合図のようなものをもらったので電話に出た
こころ「もしもし?」
『もしもし、久しぶりね』
音量を最大にした。タスクは皆知っているので隠す必要はない
堂上班も異変に気付きこころの周りに集まった。
こころ「...どうして怜奈ねぇが私の番号知ってるの」
怜奈『祖父母に聞いたら教えてくれたの。タスクなんだってね。今度の小田原の検閲抗争に出動するの?』
私は何も答えなかった、答える気もなかった
怜奈『フッ…精々死なないように頑張りなさい』
そう言うと一方的に電話は切られた。良化隊からの探りでも入るのかと思ったら、何の中身もない内容だった
小牧「様子聞きたかっただけみたいだね」
小牧教官がそう言うとまたいつもの雰囲気に戻ったが、私の表情は晴れなかった。小牧教官は私の頭を軽く叩いた
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