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私達は絶句した。予想以上の負傷者がいた。負傷者達の有り様に私は思わず目を背けたくなるくらい
堂上「手塚、相原。お前らは俺らの援護を頼む」
手塚「了解」
小牧「相原さん」
こころ「...はいっ、すみません...」
小牧「大丈夫だよ」
小牧教官は私の不安を見透かしたのか、安心させるようにして私の頭をヘルメット越しに叩いた
堂上達は一気に1階に駆け下がり、大きな柱の後ろに一旦身を潜めた。銃弾が行き交い、図書隊員達は手が出せないでいた
私は一瞬逃げ出したくなる衝動を駆られるが、そんなものはすぐに引っ込んだ。ここにいる隊員達は逃げずに必死に戦っている。図書隊員である自分も逃げ出してはいけない
目を合わせて一気に行った
「下がれーー!!」
堂上達が一気に銃撃をし、土嚢に身を隠していた隊員達はその指示で後ろに下がる
堂上が一気に前に出て銃撃をしたので、目の前にいた良化隊員が次々に倒れ込んだ。その隙に私が良化隊員のマシンガンをどんどん弾いていく
「撃てーーっ!!」
堂上が最前線で銃撃を続け、少し後ろで私や手塚くん達も銃撃をする。しかし良化隊は衰えることを知らない。図書隊の銃撃もまったく歯が立たず、あっという間に良化隊に押し潰されてしまう
「駄目です!もう限界です!!」
指揮官である隊員が無線を通じて本部に叫んだ。良化隊の圧倒的な攻撃に手も足も出なかった
こころはせめて盾を崩すことができればと思い銃撃を続けるが、それはまったく無意味だった。それでも撃ち続けるしかなかった。もしかしたら諦めてくれるかもしれない、そんな期待をしていた。しかし私の願いは思わぬ方向で叶った
玄田『良化特務機関に告ぐ!戦闘中止!戦闘中止!!』
玄田隊長の声で嘘のように銃声が止んだ
玄田『関東図書隊はこれより残った資料を放棄、当館から撤退する!繰り返す...』
その宣言に図書隊員達は唖然とする
良化隊が去っていく中、図書隊員は皆本部へと向かった
堂上「玄田隊長!」
折口「どういうこと?!」
コテンテナ残り1基を残して撤退するなんて、堂上達には考えられなかった
玄田「やむを得ん、撤退を要求されている」
折口「要求?」
玄田「たった今稲嶺司令が誘拐された。...笠原も一緒だ」
こころ「?!」
その言葉で雰囲気が変わった。また堂上は誰よりもそれを重く受け止めた
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