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『我々はメディア良化法に賛同する麦秋会です。情報歴史図書館から引き取った全ての資料を焼却して下さい。紙1枚でも残した場合、人質は永久に帰りません』
麦秋会と名乗る良化法賛同団体の電話を受けたのは、警備総責任者の玄田隊長
玄田「2人の無事を確認させろ」
『介助の女性だけだ』
堂上教官が抑えきれない風情で電話の方へやや身を乗り出した
笠原『もしもし』
へたばっているような声ではないので、とりあえず一同は安心した
玄田「大丈夫か」
笠原『はい、2人とも無事です。あの、今晩こころと柴崎とミルフィーユカツを食べに行く約束をしてて、行けなくなったって伝えてもらっていいですか?...って別にいいでしょ!高い店なんだから予約取り消さなきゃいけないのっ...』
コミカルはやり取りを遮るように電話が切られた。タスクフォース側は真顔になった
こころ「あっ...」
私はただ1人理解したが、他の者はまったく理解できていない
玄田「...何だ今の。ミル?」
柴崎「予約がいる店じゃありません」
突然の登場に皆の視線が集まった
こころ「…今晩トランザールに行く約束もしてません」
柴崎「玄田隊長、笠原ご指名の柴崎です」
麻子ちゃんは敬礼してから、私の方を見た
玄田「どういうことだ?」
玄田隊長も今度は私に尋ねた。堂上教官は食いつくように私を見た
こころ「ミルフィーユカツが美味しいレストラン、場所は立川」
玄田「立川の地図を出せ。告別式会場からの逃走ルートを検討、奴らが使いそうな建物をあぶり出せ!」
玄田の指示で皆一斉に動き出した
次に玄田隊長は通報して来てもらった警官達の前に来た
警官「犯人は麦秋会と名乗ったそうですね」
手塚「警察なら通話記録から場所を特定できますよね?」
手塚が食いつくように警官に行った
玄田「手塚、聞くだけ無駄だ。要求から見てバックにいるのは良化特務機関、こいつらに動くつもりはない!隅で大人しくしていろ」
玄田隊長は警官を睨みつけ、また全体に指示を出した
玄田「いいか、本件は図書隊で始末する!」
「はいっ!!」
その直後、堂上が部屋から出ようとした
玄田「堂上どこへ行く、勝手な真似は許さん!」
玄田隊長の罵声にさすがに立ち止まったが、堂上教官は自分の手帳を取りだし机に叩きつけた
堂上「先に立川に行きます。何かわかったら連絡下さい」
堂上教官はそう言って部屋を出た。その行動に誰もが驚いた
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