episode4

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皆が唖然としている中、小牧教官が手を挙げた 小牧「自分も行きます。単独行動は禁止なはずです」 小牧教官の発言に対して今度は誰も驚かなかった こころ「隊長、私も行かせて下さい!」 私は玄田隊長の前に出て言った。玄田隊長は黙ったまま 手塚「お前さすがに...」 こころ「自分は郁ちゃんのバディです!」 玄田隊長は立ち上がってこころの肩を叩いて言った 玄田「笠原を連れて帰れ!」 こころ「はいっ!!」 私は勢い良く敬礼をした 小牧「行こう、相原さん」 小牧教官は私の腕を引っ張って、部屋を出た。そして合流した堂上教官と共に車に乗り込む 堂上は、5年前に検閲から1冊の本を必死で守ろうとしていた笠原を思い浮かべた。この少女に本を返したい、堂上が見計らいの権限を使って動いた理由はそれだけだった。そして笠原はここへ来た、堂上の欠点と切り捨てたものを大事に抱えて。 堂上は今そんなことを考えていることは当然こころは知らない。 堂上「あいつが無茶をする度たまらなくなる。いらついて揺らいで遠ざけた。そのくせおけなかった。あいつを信じてやれなかった、それは俺の弱さだ」 堂上教官の郁ちゃんへの想いに私は黙ってきいていた 堂上「必ず行く、後生だから無事でいろ」 堂上教官の言葉に私も拳を強く握りしめた それからあまり時間は経っていなかった。本部から無線が飛んできた 緒形『堂上、こちら本部。送れ』 堂上「本部、こちら堂上。送れ」 緒形『立川市錦町大型書店の空き地より信号を確認』 堂上「近くにいます、急行します」 玄田『待て、武器は持って出たのか』 堂上「はい」 玄田『使用を許可する』 堂上教官達は顔を見合わせた。小牧教官は後ろに座っている私に「用意して」と頼んだ 玄田『2人を必ず連れて帰れ!』 堂上「了解!」 私は3人分のマシンガンと予備弾を用意する。それから郁ちゃん用に拳銃も用意する 堂上「相手は良化隊じゃない。好きに撃て。死んだって何の文句も言われない」 堂上教官の言葉に私は怯んだが、小牧教官がそれをフォローするように言った 小牧「相手の動きを止めてくれれば、それだけで足止めになるから」 小牧教官は私を安心させるように頭を撫でた。私は大丈夫だという風に小牧教官に笑顔を向けた
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