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ヨウちゃんから最後に届いたメール画面には、こうあった。
“おまえ、間違ってる”
少しだけ…んーん、正直、それを読んでとっても傷付いた。
でもね、いつもヨウちゃんに言われてたから、平気だった。
前にね、メールで時間を決めて待ち合わせをした時に、待ちぼうけを食って大ゲンカしたことがあるの。
原因は、私がメールを最後までスクロールして読まなかったせいで、
駅の西口と東口を間違っちゃったってだけなんだけれど…
私、ヨウちゃんに約束をすっぽかされたと思い込んでしまって。
ああ、本当に私たち、ケンカばっかりしてる。
「おまえなあ…メールは終わりまでちゃんと読めよ。
そんなことでデートする時間がなくなるなんて、馬鹿みたいだろ?」
その言葉が嬉しくて、それからは同じ失敗はしなくなった。
だからあの時も、ちゃんと最後まで読めたわ。
メールの続きには、こう書いてあったの。
“僕はおまえと普通に過ごしたいだけだよ。以前みたいに信じてほしいんだ。
…でも、僕も間違ってた。
不安にさせてごめん。ちゃんと向き合って話そう?
だから、帰っておいで。”
もう少し早くこのメールに気付いていたら、今でもヨウちゃんの隣に居られた。
そんな確信なんて、今さらあっても仕方ないのかもしれないけれど…
あの夜のこと、思い出せてよかったって思う。
自分が死んだことも、思い出しちゃったけれどね。
ヨウちゃん…私、ヨウちゃんの隣に引っ越してきてよかった。
あなたの隣に居られて、幸せだったよ。
それから一つ呼吸をして、一番の笑顔で言った。
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