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リラさんが焦ったように俺に言う。
「今逃げる無理。奴ら来た。今、お前外に出る。お前捕まる。長老、お前のこと守ってくれている。
奴ら、この村の敵。戦って追い出す。でも奴ら強い。この村死ぬ。でもお前、逃げられる」
「みんなが戦っている間に俺に逃げろというのか?」
リラさんは頷く。
「討伐団、この近くいる。私、そこ案内する。討伐団、人間たくさんいる。お前も人間。そこ紛れる。紛れればたくさん人間、わからない」
「嫌だ。俺だけ逃げることなんてできない。
俺の力のせいで奴らを呼び寄せたのなら、俺もこの村に残って一緒に戦う。この力の使い方を教えてくれ」
「お前の力、とても危険。どんな魔法も強くなる。私、お前に魔法教える。でもお前、コントロールできない。みんな死ぬ」
「じゃなんでもいい! 戦う武器か何かを俺に貸してくれ!」
「ここ、人間いない。お前、戦う。すぐ奴ら見つかり捕まる。でも戦い終わらない。奴らと戦う。この村の誇り」
「俺が残ろうが逃げようがこの村には関係ないというのか?」
「そうだ。長老、もうすぐ戦い仕掛ける。でも奴ら賢い。戦わない。お前を捕縛する、それが目的。
お前選択、逃げる戦うどれも危険。でも逃げる、運ある」
「けど──!」
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