第4話 災いを呼ぶ力

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「リラ、長老死んだ。奴ら、長老殺した。村のみんな、仇討つ」  リラさんが俺の手を強く掴んでくる。  俺はリラさんへと視線を移した。  リラさんは怒っていた。  苛立ち耐えるように奴らを一心に睨みつけ、口をきつく締める。  その気持ちが、俺を掴む強さとなって伝わってきた。  青年エルフがリラさんに言う。 「リラ、長老言ってた。リラ、その客人守る。客人、この村関係ない」  急にリラさんが俺を引っ張って走り出す。  いつ切れるかもわからない縄梯子を、リラさんは俺の手を引いて全力で駆け抜けた。  地上から併走するように、二人の黒騎士が追いかけてくる。 (リラさん……)  判断を求めるように俺はリラさんの顔へと目を向けた。  そのリラさんの頬につたう一筋の涙。  リラさんは俺に言った。  意志の強い言葉で。 「お前、必ず逃がす。奴らの目的──私、壊す!」
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