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木々をつたい、村を離れ。
俺とリラさんはなるべく高い木を選びながら幹の上を移動した。
地上からは二人の黒騎士がついて来ている。
攻撃はしてこない。
ただずっと俺たちのあとを追いかけてきている。
「なぜだ?」
俺はリラさんに問いた。
リラさんは答えてくる。
「奴ら、攻撃しない。お前の反撃、恐れてる。お前の力、強い。だから様子見てる」
「俺の反撃を恐れているだと?」
「お前の力、この世の秩序を大きく乱す。お前の望み、何でも叶う。この世界にお前の敵、いない。誰も止められない魔法。
──それがクトゥルク」
「何でも叶う?」
「だから狙われる。クトゥルクの力欲しい王様たくさんいる。悪い奴、いっぱい狙っている。
お前、良い人間。だからクトゥルク持っている。クトゥルクの力、大事に使ってくれる」
「そうだったのか。俺、何も知らずに……」
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