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もちろん、
当のアップル王国のシナモンマウンテンの近くに住み、
伝統的な砂糖採りをしている砂糖採り師たちは、
彼も含めて、
この砂糖採りの仕方が世界的に見ても大変珍しいものだとは思っていなくて、
ただ昔から当たり前のように受け継がれてきたやり方を、
当たり前にやっているだけなのでした。
しかし、
砂糖採り師の担い手の減少により、
古来からこの地方で当たり前に行われてきた、
この砂糖の採り方が、
もう以前のようにごくごく当たり前には、
できなくなってきたのも事実です。
彼は、
その事実にもどかしさを感じながらも、
寡黙な性格のためか、
愚痴のひとつもこぼさずに、
ただ黙々と、
今年から来年にかけての冬の分の、
砂糖採りを始めたのでした。
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