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横たわる男性研究員に二人掛かりで滅菌剤を浴びせかける。
瞬く間に男性研究員の躯はついてこねた餅の様に真っ白に染まっていき、滅菌室は白い煙が充満した。
ペイジウィルスは死滅したとペイジーとマープは思ったが、男性研究員は煙を巻きながらむくりと起き上がり、のそりのそりと二人に近付いて来る。
「もしかして効いてない?」
「……みたいです」
後ずさりしながら、滅菌室から出ようとするが、二人は既に包囲されていた。
お禿げと化した研究員達が髪の毛を求めて、通路の端からにじりよって来る。完全に退路を絶たれたのだ。
「全員を相手にしろと言うの?」
「無理です。遺伝で禿げになった人もいるので、こうなってしまっては識別不能です」
「だったら尚更、全員相手にするしかなさそうね」
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