15人が本棚に入れています
本棚に追加
12月17日 初雪
次の日直の名前を チョークで記す
うらやましいな 同じ名字
遠回しに片想いを書き連ねた日誌
読み返すのは 先生からの返事
最後のチャイム 夕方が眠りにつく
黒板消しの後ろに見つけた8文字
特徴のないその字を見つけたら
動けなくて 帰れなくて
初雪が降りだした 19時前
誰もいなくなった校舎 静寂に鼓動が響く
気づいてくれたかな 気づいてないよな
でも 通じてる?
真っ暗に ぽつんと浮かぶ小さな背中
はらはら降る雪を映す
その瞳が潤んでいたから
どうしようもなくなって
ずっと温めていた雪の結晶を
キミの耳たぶに
覚えててくれたの?
問いかけには答えず
Yシャツを握ってくるその手を 引き寄せて
忘れてたけど って言わせて
黙り込むキミに 許されないくちづけ
大切なひとになったキミへ
誕生日 おめでとう
―― この日を待ってた
最初のコメントを投稿しよう!