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「八雲ちゃん、居る?」
部屋の片隅にそっと声をかけてみる。
その声が聞こえると同時に、ピカピカと光り輝きながら妖精・八雲ちゃんが出現した。
「あら、今日は早いのね」
「八雲ちゃんにさ…あげたいのがあったからさ」
ほら、と八雲ちゃんに差し出したのは…
暖かい、手編みのニット帽。
「…こ、これを…これをアタシに!?」
「クリスマスが近いんだし、八雲ちゃんもサンタクロースも修羅場になるだろ?
あっちはかなり寒いって聞いたから…寒さ防止に被ってよ」
八雲ちゃんの瞳がウルウルしつつ、おでこも羽根もやはりプルプル点滅する。
「これさ、俺の大学時代の担当教授が編んでくれたんだ。
でも勿体ないから被れなくて、やっと被ってくれる八雲ちゃんが見つかって…」
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