妖精・八雲ちゃん

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「貴方は職場のノルマでケーキを売りたいのよね。 もっと、みんなが幸せになって貴方のお願いも叶えてあげたいの」 「みんなが幸せになる…」 「サンタクロースは世界中の子どもの為に忙しくなさってる。 でも子どもも大人も、みんなが幸せになって欲しいのよ」 八雲ちゃんが話す度に、おでこと羽根の光り輝く加減が変化する。 特におでこのピカピカが目立って、時たま眩しくて… でも何だろう… ベテランのオッサン妖精のその必死さが、いつの間にか俺を引き込んでいた。 「ケーキが欲しい人はいっぱい居るんだよな… つまり、注文とかが取れ手利益になって相手が喜んでくれたら」 「そうそう! お金絡みは貴方の事情だから妥協するけど…貴方の先輩とか、色々な人にとにかく連絡しなさいな」 「片っ端から、って言いたそうだな?」 「そこからはアタシの出番!」
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