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「乗って。」
「うん。」
促されるままに乗り込むと、運転席には玲子さんがいた。
「あらー、夕貴ちゃん久し振り。具合悪いんだって?」
「はい…熱が出ちゃって。」
「家まで送るわ。大体の場所は聞いたから…」
「え、駅まででいいです。」
「いいのよ、あなたたち最後でしょ?
ばかね、変装してれば別れなくてすんだのに…
何気に応援してたのよ。」
「俺のせいだよ。」
「いいんです。高村くんと私はすむ世界が違っちゃったから…。
私たち、もう別れてるんです」
「…そうなの?」
「俺がだらしないから…。」
「仕方ないわね。大人ならまだやりようがあるけど、あなたたちはまだ高校生だからね。」
「二人のことがインターネットに出たことで学校中に知れ渡って夕貴の立場が悪くなってる。
こんな状況で転校したくなかった。」
苦しそうに顔を歪める高村くん。その気持ちだけで嬉しくなる。
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