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ギャルが倒れてコンクリートに頭を打ち付ける鈍い音が聞こえた。
「イタッ、ううっ…何すんのよ。」
「キャー!!」
「千晶、大丈夫?千晶!」
「あんた何やってるのよ!」
「誰か保健室の先生を呼んできて。」
頭を抱える女子に気が動転して、体がガタガタ震え、呼吸がどんどん荒くなっていく。
気付けば見物客が大勢いて、誰かが保健室の先生を呼んだのか千晶と呼ばれた今ギャルの怪我の様子を見ていた。
「上野さん分かる?目は見える?」
「イタッ、先生痛いよ。死んじゃう。」
「出血は大したことないけど、頭の中で出血してるかもしれないわ。意識はしっかりしてるからたぶん大丈夫だと思うけど、病院に行きましょう。
歩ける?救急車を呼ぶ?」
上野と呼ばれた女子はゆっくり起き上がり、頭を押さえながら立ち上がった。
「イターっ!」
顔を歪める女子。
その姿を見てホッとして冷たくなった手に血液が通い始めたように感じた。
「あ、浅井さんどうしたのそんな青い顔して…。」
「そいつが千晶を押したんだよ。千晶に何かあったら責任とって貰うからね。」
女子生徒の刺すような目に身が縮む思いで下を向いた。
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