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「浅井さんも一緒に保健室に来なさい。」
「…はい。」
上野さんを気遣うように歩く田村先生の後に続いた。
「私は上野さんを病院に連れていくけど、直ぐに他の先生が来るから浅井さんはここで待っていてね。」
「はい、わかりました。」
「上野さん、さ、行きましょう。歩ける?」
「頭は痛いけど、歩けるよ。」
田村先生は応急処置をした上野さんを抱き抱えるように、保健室から出ていった。
入れ替わるように担任の佐々木先生が保健室に入ってきた。
50代くらいの優しいと人気の先生だ。
目立たない私は今まであまり話すことはなかった。
「どうした?
おとなしい淺井が何で上野を突き飛ばした?
普段付き合いはないだろ?」
「は、はい。上野さんに学校を辞めろと胸ぐらを掴まれて…押してしまいました。」
「上野は何で辞めろって?」
「言いたくありません。」
高村くんに遊ばれて妊娠して堕胎したなんて言いたくない。全く根も葉も無いことなのに…
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