第1章

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変わらぬきれいな顔が心配そうにこちらを見ていた。 何でいるの? 別れたのに… 転校しちゃうのに… 構わないでほしい 優しくされると悲しくなるのに… 「大丈夫?」 「う、うん。風邪がぶり返したみたい。」 「この前の駅でのことで何か言われたんだろ? 俺が変装しなかったから…。」 「高村くんのせいじゃないよ。全部自分がしてきたことだから…。」 「七海って子に過呼吸で気を失ったって聞いたよ。 中学の頃を思い出したんだろ? 苦しかったろ、大丈夫?」 「…。」 優しい言葉に胸がジーンとして言葉がでない。 「立場を悪くするようなことしてゴメン。」 「ううん、あの時来てくれて嬉しかったの。嫌われたと思って心も体も凍えそうだったから…。」 「嫌いになったんじゃないよ、今でも大好きだ。 限界だったんだ。 二人でいると、我慢できそうになかった。」 「高村くんが望むなら良かったのに。」 「夕貴の本心じゃないだろ?都合のいい女になっちゃダメだ。」
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