第1章

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「人前で話すのは苦手です。」 「そうか…?お前今ちゃんと自分の気持ちが言えていただろ? 俺にはちゃんと意見が言えるやつだと思えるぞ。」 「そうですよね、俺もそう思いましたよ。浅井は高村の潔白も証明したいんだろ? 二人が節度のある付き合いをしてきたことを話したら、高村のためにもなるぞ。放送ならみんな聞くだろうし…俺もそれ賛成だな。」 「そんな…。」 そんなこと言われたって… 出来ることなら私だって高村くんへの根も葉も無い噂を否定して本当の彼を伝えたい。 その気持ちがあっても、出来ることと出来ないことがある。 「…無理です。」 「ね、あんた、私らが悪かったよ。噂に乗せられて文句言ってごめん。」 「私もごめん。千晶には私らから説明するよ。千晶だってあんたの首根っこ掴んでたもんね。それであんたが押したんだもんね。あんたは正当防衛だよ。悪くない。 だけど回りはまだ知らないよ。私も聞きたい。あんたらがどんな付き合いしてたのか…。」 「私も聞きたい。」 なんなの、何でみんなそんな方向にいくの? 私たちの付き合いをみんなの前で報告なんて高村くんが承知するか分からないのに…
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