第1章

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「貸して。」 バッグを奪うように取り上げ付き添うように横に並ぶ高村くん。 私一人でも帰れるのに…顔の知られた高村くんの横を歩くとまたインターネットなどにアップされるかもしれないのに… 靴を履き替えて 先に出て待っている高村くんのほうへ向かった。 「私と歩いて大丈夫?この前の写真がインターネットに載ったみたいだよ。」 「知ってる。だから転校させられた。」 悔しそうに眉を寄せてこちらを見る高村くんに、私のせいだと言われてるようで視線を落とした。 「ごめんなさい。」 「どうして夕貴が謝るの? 俺のせいだよ。変装もしないで飛び出したんだから…自業自得。 俺は自分のしたことだから仕方ないけど、夕貴は俺のせいで回りから冷たい目で見られているだろ? なのに俺は夕貴を守ることもできないんだ。」 「いいの、私も自業自得。今まで回りを欺いてきたから…。 七海は私を受け入れようとしてくれていたのに… 七海が怒るのも当然なの。」
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