第1章

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「そうか…夕貴は友達を無くしたんだな。」 「う、うん。私は慣れてるから… 平気…」 「そんなわけないだろ!! 俺、モデルを辞めようかな。」 「辞めてどうするの?」 「側にいて夕貴を守る。」 「止めて…高村くんは今世間に望まれてるんだよ。チャンスなんだよ!私、その邪魔をしたくない。」 「チャンスなんてどうでもいい。好きな女の子も守れない中身のない男が、見てくれだけで持て囃されて…そんなのすぐに飽きられる。」 「そんなことないよ、私は大事にしてもらったよ。 中学のときから、辛いことに向き合うことをしなかった。 逃げて愛想笑いを浮かべるだけだった。 もっとぶつかっていけば変わったかもしれないのに…。 だから強くなるの。今度は逃げない。 自分でちゃんと乗り越えるから…高村くんも負けないで!誰よりもかっこいいモデルになって… そしたら私、自慢する。この人は私の元カレだよって。」 にっこり笑って高村くんを見ると彼は戸惑いの瞳を向けてきた。
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