第1章

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「最初は軽い気持ちで引き受けたモデルだけど… 俺を売り出すためのチームもできて、いつの間にか責任を背負わされていた。 転校はチームの話し合いで決まった。俺の気持ちじゃないんだ。 俺が一番大事なのは夕貴だ。 夕貴が苦しいとき側にいたい。モデルを辞めればそれができるんだ。」 そんなこと望んでいない。インターネットに出たことは彼のモデル生命の致命傷になるかもしれない。 その為にスタッフが対策を考えて転校が決まったのに… 彼のために皆真剣に取り組んでいるのに、そんな勝手なことが許されるわけがない。 気持ちは嬉しい。守られて側にいられたらきっと幸せだ。 けれど別れの原因は何一つ解決していない。一緒にいても結局同じことを繰り返すのは目に見えてる。 それにモデルをしている彼が好き。 雑誌の彼を見る女の子達の目は皆イキイキしていた。彼の写真を手に話をしている彼女達は幸せそうだった。 大勢の女性を幸せな気持ちにできる彼を凄いと思う。 誰でもできる仕事じゃない。
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