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それからも二人は幼なじみだった。
ただ変わったのは、遥奈が陽介の部屋に入らなくなったこと。
遥奈が、陽介の部屋の窓を叩くくとはこの日を境になくなった。
学校がある日は一緒に行ったし一緒に帰ってきた。
友人たちと駅前のファミレスやファストフードでダベッて帰ることも変わらなかった。
どんな話をしたかだって覚えているし分かっている。
ただ、二人はお互いの顔を見て話すことはなかった。
隣に立ち、隣に座り会話をする。
ただ、それだけ。
二人とも自覚した想いと、それに対する相手の気持ちを考えることを放棄していた。
それ以外、今の二人は一緒にいる手段を知らなかった。
だが、その生活はすぐに終わりを告げた。
卒業式を終えてすぐ、陽介は上京した。
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