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お父さんやお母さんにも、何も話さなかったんだ…。
信頼している相手に、何も話せない辛さ。
その辛さを思うと、以前、何も教えてもらえないと怒りをぶつけた自分の行為を、とても申し訳なく思った。
「暫くして、アデルとクリストフから離れた僕は、二人が結婚して、子供を授かったと手紙で知った。それでいいと思っていた。そうなるように離れたしね。それでも、アトロディアは、良しとは思わなかった」
怒りの感情で、アルフォンスさんの表情が険しくなる。
「何事もなく、僕が離れた事が、あのいけ好かない神様は、気に食わなかったんだ。どうして、あの神様が、僕を不老不死になんかしたと思う?長い年月、僕が苦しみ生きる様を楽しむ為だけに、あんな呪いを授けたんだよ」
「………そ…んな」
まさか、と思った。
思いはしたけど、私は、実際にアトロディアに会っている。
納得したくなくても、せざるを得なかった。
「神様の愛情は、人間のそれとは全く違うからね。姿形は似ているように見えても、全く別の生き物だ。変態もいいもころだよ」
………あぁ…この人が、こんなにも捻くれた毒製造機になったのは、あのアトロディアの所為かもしれない。
…………生まれつきな可能性も、否定出来ないけど。
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