動き始める歯車

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「隠しているつもりでも、僕は重すぎる加護を受けているから、筒抜けなんだよ。考えも、感情も、僕の全てが、あの変態神様には」 ………そんな重くて、歪んだ愛なんて、本当に嫌だ。 何処に行っても、覗きをされているようなものだ。 「だから、アデルへの想いも……だから、あの変態は、アデルに手を掛けた。頑なに否定する僕で愉しむ為にね」 待って……それじゃ…。 「お母さんは…病気で死んで…ない?」 「………『お前に必要ない命なら、消えてしまっても構わない命だろ?』……間に合わなかった僕に、あの変態は、そう告げて来た。楽しそうに」 そんな……そんな事の為だけに? 「そんな事で、お母さんは?そんな事、許されるんですか?……そんな事がまかり通るんですか?何で…!」 酷い……! いくら、神様だからって、そんな事! 私達だって、生きてるのに。 感情もあれば、痛みだって。 それなのに…! アルフォンスさんが悪い訳じゃないのに、思わず問い詰めるような事をしてしまった私に、アルフォンスさんは、今まで見た事がないような、辛そうで悲しげな表情を浮かべる。 「ごめん……巻き込むつもりはなかったんだ。そのつもりで離れたのに…」
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