動き始める歯車

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「遅くなり、申し訳ございません。皆様を、お連れ致しました」 そう言って姿を現したのは、ギルバートさんだった。 「ギルバートさん!」 皆、無事だったんだ! 大勢がアトロディアを取り囲み、その状況を見回したアルフォンスさんが、悠然とした笑みを浮かべながら、アトロディアを見上げる。 「さあ、どうする?こちらは、いつでもいいけど」 そんな挑発にも似たアルフォンスさんの言葉に、アトロディアは言葉を詰まらせた。 「……まさか、ルディアシスの闇だったとはな。それは計算外だった。おまけに、闘神まで……分が悪い」 私とテオさんを見比べ、フッと笑みを口元に浮かべたアトロディアが、スーッと空へと上昇して行く。 「ここは、引かせてもらう。ルディアシスの闇が現れた以上、下手に動けないからな」 「それが賢明ですね」 のんびりとした口調のルディアシス神を、アトロディア神が睨んだ。 「……全ては、お前の計算の内という訳か。相変わらず、嫌な奴だな」 「さぁ?何の事でしょう?」 のらりくらりと交わすルディアシス神に舌打ちをして、アトロディア神は、空に溶けるようにして消えて行った。
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