272人が本棚に入れています
本棚に追加
「遅くなり、申し訳ございません。皆様を、お連れ致しました」
そう言って姿を現したのは、ギルバートさんだった。
「ギルバートさん!」
皆、無事だったんだ!
大勢がアトロディアを取り囲み、その状況を見回したアルフォンスさんが、悠然とした笑みを浮かべながら、アトロディアを見上げる。
「さあ、どうする?こちらは、いつでもいいけど」
そんな挑発にも似たアルフォンスさんの言葉に、アトロディアは言葉を詰まらせた。
「……まさか、ルディアシスの闇だったとはな。それは計算外だった。おまけに、闘神まで……分が悪い」
私とテオさんを見比べ、フッと笑みを口元に浮かべたアトロディアが、スーッと空へと上昇して行く。
「ここは、引かせてもらう。ルディアシスの闇が現れた以上、下手に動けないからな」
「それが賢明ですね」
のんびりとした口調のルディアシス神を、アトロディア神が睨んだ。
「……全ては、お前の計算の内という訳か。相変わらず、嫌な奴だな」
「さぁ?何の事でしょう?」
のらりくらりと交わすルディアシス神に舌打ちをして、アトロディア神は、空に溶けるようにして消えて行った。
最初のコメントを投稿しよう!