動き始める歯車

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*動き始める歯車・11* 取り敢えずといった形で危機を乗り切った私達に、ルディアシス神は何も言わずに立ち去ろうとした。 「ルディアシス神!サクラが、ルディアシスの闇というのは、どういう事か教えてもらいたい」 そんな神様を引き止めたのは、他でもないアルフォンスさんだ。 振り向いて、アルフォンスさんをジッと見つめたルディアシスは、表情を変える事なく口を開く。 「君は、アトロディアのお気に入りでしょう?そんな君に教える事など、何一つありません」 …………こういう性格なんだろうか、神様って。 「そ、それでは、私はどうでしょう?自分の事を知る権利は、あると思うのですが」 それじゃあと名乗り出た私を、ルディアシスは少し考えてから、「いいでしょう」と答えた。 そして、誰にも聞こえないような小声で、私の耳に手を当てて囁く。 「ルディアシスの闇とは、神殺しの母体となる人間の事を指します。つまり、あなたが子を授かると、その子供は神殺しの宿命を追う事になるのです」 「こ……」 こ・ど・も? 子供って、あの子供? 神殺しって、毒薬じゃないの? パクパクと口を開く私に、ルディアシスはにこやかに微笑む。
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