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『おい!!豚! 目上の者に挨拶も出来んのか!?
全くあの国はどういう教育をしているんだか?』
「おい! 豚、校長先生に挨拶しろ」
学校が僕の為にと称して雇い入れた通訳が、校長の言葉を訳して僕に罵声を浴びせる。
仕方なく僕は校長に向かって挨拶した。
『おはようございます』
「お前豚だろ? 豚の言葉はブーブーだろうが?
やり直せ」
「嫌だよ、僕人間だもの」
「何!?
文句つけるんじゃない!
言われた事をやれば良いんだ。
やれ! 早くしろ」
『豚! 校長先生に早く挨拶しろ』
「豚! 校長先生に早く挨拶しろ」
『家畜が人間面しているんじゃないぞ! 』
「家畜が人間面しているんじゃないぞ! 」
登校してくる児童や先生全員が、僕に罵声を浴びせてくる。
僕は唇を噛みしめ涙をこぼし、仕方なく挨拶した。
『ブーブー』
僕の周りに群がっていた児童や先生全員が、ドッと笑い声をあげる。
『やっぱり豚だぜ、アハハハハハハハハ』
「やっぱり豚だぜ、アハハハハハハハハ」
通訳の男は、児童や先生が僕に投げつける1人1人の罵声を、僕に通訳して聞かせてくる。
通訳なんて要らないのに、この国に行くって決まってから、僕、この国の言葉を勉強したんだから。
僕は校門から教室まで罵声を浴びなら歩く。
教室の扉を開け、後ろの扉の直ぐ傍にある机にカバンを置き、椅子に座る。
僕は担任の先生が豚は臭いからと、教壇から一番離れているこの場所に座らされていた。
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