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担任の先生が教室に入ってくる。
『おはよう』
先生は僕がいる事に気が付くと、舌打ちして窓際の児童に指示を出す。
『チィ!
教室が臭くなるから窓を開けて。
あ――ヤダヤダ!
何であたしが家畜の世話をしなくちゃならないのかしら?
みんなもそう思うでしょう?』
「教室が臭くなるから窓を開けて。
あ―――ヤダヤダ!
何であたしが家畜の世話をしなくちゃならないのかしら?
みんなもそう思うでしょう?」
担任の問いかけに、僕を除くクラスの全員が賛同して、僕に罵声を浴びせてくる。
『豚!!
臭いから息をするな! 』
「豚!!
臭いから息をするな! 」
『もっと隅に行けよ、臭せえんだよ! 』
「もっと隅に行けよ、臭せえんだよ! 」
僕に罵声を浴びせるセレモニーが終わると、授業が始まった。
『この国は70年前、そこにいる豚の出身地のクソ国が、大海原戦争に負けたおかげで、海の向こうの大国により解放されました。
しかし、65年前に北の大国出身の赤により分裂戦争がおこり、我が民族は2ツに分断されてしまったのです。
これにより、植民地にされただけで無く、私達の誇るべき言語や文化を全否定した同化政策により、豚の言葉を喋らされ、豚の文化を押しつけられた我が民族の苦難は、未だに続いているのです。
それなのに、豚共は全く反省する姿勢も見せていない。
そこにいる豚を見れば、皆さんも理解できると思います。
おい!!豚! 代表してお前が謝れ、反省の態度を見せろ! 』
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