反省

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今日の授業が終わり、僕はカバンを背負って校門に向かう。 僕の後ろから通訳の男が、周り中から浴びせられる罵声を1ツずつ通訳しながらついて来る。 『家畜は隅を歩け! 』 「家畜は隅を歩け! 」 『豚! 臭いぞ』 「豚! 臭いぞ」 『サッサとくたばれ』 「サッサとくたばれ。 ああ、これだけは反対だね。 お前が学校に登校を続けてくれれば、俺は失業せずに済むからな。 分かったな! 豚野郎」 学校の外でも、下校する児童達に罵声を浴びせられた。 『豚! 反省しろよ』 『家畜だから10歩も歩けば忘れるんだろう。 ハハハハ』 僕は彼らの言葉を聞かないように下を向き、早足で家に向かって歩く。 もう少しで家に着くとき、朝、僕に罵声を浴びせた3人組が、犬を虐めている所に出くわす。 僕は犬が可哀想で、思わず声をかける。 『止めなよ! 』 『ああ! 何だ? 豚か!?』 『可哀想じゃないか! 』 『うるせえんだよ! お前も同じ目に合わせてやろうか?』 3人組の1人が棒で犬を叩こうとしたので、僕は慌てて犬に覆いかぶさった。 『どけ! 』 『止めとけ。 怪我させると面倒だ』 『帰ろうぜ。 また明日な、豚野郎』 『そうだな、犬と豚、畜生同士仲良くしてな』 3人組の姿が見えなくなるまで僕は犬を抱き続け、その後逃がしてあげる。 犬は僕に一声鳴くと山の方へ走り去った。
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