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「お姉ちゃん誰?」
「貴方に昼間助けられた犬です。
身を挺して私を助けてくれて、ありがとう。
お礼として、1回しか出来ないけで、過去に戻る力を上げるわ」
そう言うとお姉ちゃんの姿は見えなくなり、部屋の中は真っ暗になった。
そこで僕はパッと目を開ける。
何だ、夢か?
僕は目を覚ましたついでに、トイレに行く事にした。
部屋のドアを開けると廊下は真っ暗。
お母さんが僕の為に、廊下の電灯を点け放しにしてくれているのに、あの小母さんが、僕が怖がることを期待して電灯を消すんだ。
僕は怖いのを我慢してトイレの方へ歩を進める。
でもおかしいんだ。
トイレまで10メートル程しか離れていないのに、どれだけ歩いてもトイレに着かない。
引き返そうかと思った僕の目に、灯りが漏れている部屋の扉が映る。
僕はその部屋の扉を開け中に入った。
扉が開いた音に気が付いたらしい、大きな机の前の椅子に座っていた男の人が振り向き、僕を見る。
その男の人は、お母さんが前に見せてくれた、100年前の御先祖様そっくりの顔をしていたので、僕は思わず叫んだ。
「お爺ちゃん!?」
男の人は僕をまじまじと見つめたあと、返事を返して来る。
「私に君のような孫はいないが、君は誰で? どこから入って来たのだね?」
「僕は、あなたの100年後の子孫です」
「私の?」
僕は一昨年亡くなった曾曾祖母の名を男の人に教えた。
「ふむ。
その名前は私の孫娘の名前と一緒だな」
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