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その時僕の後ろから誰かが部屋の中に入って来て、僕に気が付くと、僕の襟首を鷲掴みにして怒鳴りつける。
「どこから入って来た小僧!?」
それに対しお爺ちゃんが返事を返す。
「その子は、私の100年後の子孫らしい」
「100年後の子孫? 何を言っているのですか旦那様!?」
「そう怒鳴りなさんな、この子も怯えているじゃないか。
それより私とこの子にお茶を貰えるかい」
「はあ、かしこまりました」
「茶菓子も忘れずに頼むよ」
「はい」
お爺ちゃんは、僕の襟首を掴んだ人にお茶を頼んだ後、僕の方を見てソファーを指差し、座るように声をかけて来た。
「ソファーに座りなさい。
100年後の子孫の君が、私の所に来た訳を聞こうじゃないか?」
僕はこの国に来てから受けた屈辱を思いおこし話す。
「お爺ちゃんのせいで、僕とお母さんはこの町の人間全員に、虐められているんです。
反省してください! 」
「どういう事だね?
詳しく話してくれるかい?」
僕は泣きながらお爺ちゃんに話して聞かせた。
この国を植民地にしてから35年後に戦争に負け、植民地を手放さなくてはならなくなった事や。
それから70年以上経った今でも、この国の人達はその事を恨んでいる事、その為お母さんや僕がお爺ちゃんの子孫だと分かった途端、町中の人間がこぞって僕達を虐めている事などを話す。
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