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零れそうで零れない、綺麗な瞳に浮かぶ涙を、ぐっと飲み込むように瞼を閉じたタク。
数秒閉じられたそれが開いた時には、吸い込まれたように、その瞳に涙は浮かんでいなかった。
代わりにあるのは引き締まった、綺麗な顔。
形の良い唇がゆっくりと息を吸い込んだ。
「トモ、隠し事をしていて悪かった。こんなことはこれで終わりにすると約束する。
…愛してる。」
今度は強い意志を持った瞳に、僕は口角を上げた。
こんな時にでも愛を伝えることを忘れないタクに、もう愛しさが溢れて…
したかがないから、許してあげようと、タクに甘い僕はキスを返した。
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